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マイルス・デイヴィスのアルバムを年別に紹介

1968年のMiles Davis

「マイルス・イン・ザ・スカイ」から、エレクトリックサウンドを取り入れ、エレクトリック・マイルス電化マイルス)」時代が始まる。

・この年は、それまでのアコースティックから、本格的にエレクトリック化する途中の移行期間と言える。

キリマンジャロの娘」を録音。

・2月にフランシス・テイラーと離婚し、9月にベティ・メイブリーと結婚する。

「どんなものになるかまだわからなかったが、変化を求めている自分に気づいて、演奏したい音楽への他のアプローチの方法も考えはじめていた。オレは、ギター的なボイスに可能性を感じるとともに、電子楽器が与えるボイシングの影響にも大いに興味を持ちはじめていた。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.123-124

Miles In The Sky

Miles in the Sky (Reis)

「マイルス・イン・ザ・スカイ」

録音:1968

リリース:1968

[1968/01/16]

[1968/05/16]

Miles Davis – trumpet, cornet on "Stuff" and "Country Son"

Wayne Shorter – tenor saxophone

Herbie Hancock – piano, electric piano on "Stuff"

Ron Carter – bass, electric bass on "Stuff"

Tony Williams – drums

George Benson – electric guitar on "Paraphernalia"

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エレクトリック・マイルス電化マイルス)」の始まりとされる、過渡期の実験作。この作品からマイルスは、エレクトリック・ピアノエレキベースを用いる。

"Paraphernalia"にはジョージ・ベンソンエレキギターが入っている。

・タイトルはビートルズ"Lucy in the Sky with Diamonds"から。ジャケットのサイケ感が、ロックの時代を感じさせる。

重要度:★★★☆☆

「一九六八年の一月、二月、三月に続けてやったレコーディングでは、レギュラーのクインテットでやった後に、ジョージ・ベンソンという若いギターを加えた。ジョージが演奏した曲の一つ〈パラフェルナリア〉はその年遅くに出た『マイルス・イン・ザ・スカイ』に入っている。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.124-125

Filles De Kilimanjaro

Filles De Kilimanjaro (Dlx)

キリマンジャロの娘」

録音:1968

リリース:1969

[1968/06/19~21]

Miles Davis – trumpet

Wayne Shorter – tenor saxophone

Herbie HancockFender Rhodes electric piano

Ron Carter – electric bass

Tony Williams – drums

[1968/09/24]

Miles Davis – trumpet

Wayne Shorter – tenor saxophone

Chick Corea – piano, RMI Electra-piano

Dave Holland – double bass

Tony Williams – drums

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「電化」の影響が曲にも反映され、ロックやR&Bなどの影響を取り入れ、非ジャズ的な要素が出てきた作品

・ジャケットはマイルスの2番目の妻、ベティ・メイブリー。結婚生活は短かったものの、マイルスにジミ・ヘンドリックススライ・ストーンといったロック・ファンクからの影響を持ち込むなど、その影響力は大きかったと言われている。アルバムラストの"Mademoiselle Mabry (Miss Mabry)"は彼女に捧げられた曲。

・アルバム名や曲名が、フランス語で統一されている。

・この作品のレコーディングの間に、ハービー・ハンコックロン・カーターが脱退しチック・コリアデイブ・ホランドが加入する。

・3曲でエレキベースを弾いているのがロン・カーターで、新メンバーのデイブ・ホランドは2曲でアコースティック・ベースを弾いている。

ギル・エヴァンスが制作に関わっている。"Petits machins (Little Stuff)"はギルとマイルスの共作。

重要度:★★★☆☆

「ベティは、オレの音楽だけじゃなく、個人的な生活にも大きな影響を与えた。ジミ・ヘンドリックスの音楽とジミ本人、それにたくさんの黒人ロックとそのミュージシャンを紹介してくれた。彼女はスライ・ストーンとか、そういった連中もたくさん知っていたし、彼女自身もすばらしい才能を持っていた。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.127