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マイルス・デイヴィスのアルバムを年別に紹介

1964年のMiles Davis

・1963年~1965年にかけて、多くの有名なライブ録音を残した時期

・マイルス初来日「マイルス・イン・トーキョー」のライブが録音される。

「マイルス・イン・ベルリン」から、サックスがウェイン・ショーターになり、「黄金のクインテットと言われるメンバー編成になる。このメンバーの演奏はジャズの中でも最高水準のものだと評価されている。

ビートルズアメリカに進出する。

・マイルスの母親が死去。

「まだこのバンドでスタジオに入ってレコーディングはしていなかった。『クワイエット・ナイト』を台なしにしたテオ・マセロに腹を立てていたからだ。それに、スタジオでのレコーディングはつまらなくて、ライブをもっとやりたかった。ミュージシャンは常にライブでこそすごいと思っていたから、スタジオのやり方には、もういい加減飽きがきていた。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.84

My Funny Valentine

My Funny Valentine

「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」

録音:1964

リリース:1965

[1964/02/12]

Miles Davis – trumpet

George Coleman – tenor saxophone

Herbie Hancock – piano

Ron Carter – bass

Tony Williams – drums

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・2月12日のニューヨーク・フィルハーモニック・ホールでのライブから、バラードなどの落ち着いた曲を集めた作品。

・この日のライブは慈善コンサートだったためノーギャラであり、メンバー間に金銭面の不満が漂っていた。マイルスいわく、メンバー間のノーギャラへの不満による緊張感からテンションの高い演奏になったという。

"Stella by Starlight"で、感極まった観客が絶妙のタイミングで叫ぶところが一部で有名。

タモリとマイルスが対談した時に、タモリが好きな作品としてこの作品を挙げたところ、マイルスに「あれはいいアルバムだった、あなたはとてもいいセンスをしている」と言われたというエピソードがある。

・このライブの完全版は「セブン・ステップス:ザ・コンプリート・マイルス・デイビス 1963~1964」で聴ける。

重要度:★★★★☆

「慈善コンサートがノー・ギャラなのが気に食わない奴もいた。……だから演奏が始まる時には、みんなカッカしていた。その怒りが火をつけて、バンドに緊張感が漲った。たぶんそれが、全員があんなにも力強い演奏をした理由だったんだろう。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.85

Four & More

Four & More

「フォア&モア」

録音:1964

リリース:1966

[1964/02/12]

Miles Davis – trumpet

George Coleman – tenor saxophone

Herbie Hancock – piano

Ron Carter – bass

Tony Williams – drums

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「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」とは対照的に、2月12日のライブから、アップテンポで激しい曲を集めた作品。これはプロデューサーのテオ・マセロのアイディアだったという。

村上春樹の「ポートレイト・イン・ジャズ」で取り上げられている。

・マイルスのライブアルバムの中でも、特に人気の高いものの一つ

重要度:★★★★☆

「その夜のオレ達の演奏は、まさに天井をぶっ飛ばしてしまいそうな勢いだった。みんなが、本当に一人残らず全員がものすごい演奏をした。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.85

Miles in Tokyo

 Miles in Tokyo

「マイルス・イン・トーキョー」

録音:1964

リリース:1969

[1964/07/14]

Miles Davis – Trumpet

Sam Rivers – Tenor saxophone

Herbie Hancock – Piano

Ron Carter – Double Bass

Tony Williams – Drums

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・7月14日の厚生年金会館でのライブ。

・日本で行われた初めての国際ジャズフェスティバル、「第一回世界ジャズ・フェスティバル」でのライブだが、このフェスティバルは1回だけで終わってしまった。

トニー・ウィリアムスの師匠でもある、サックスのサム・リヴァースの唯一の公式録音。その自由奔放なプレーには賛否両論がある。

・サックスの交代が告知されていなかったため、会場に来るまでコールマンだと思っていた人が多かったという。

重要度:★★★☆☆

「到着すると、大変な歓迎ぶりで驚いた。オレ達が飛行機を降りようとすると、出迎えの人々は、『日本にようこそ!マイルス・デイビス!』とか叫んでいた。なのにオレときたら、そこらじゅうに吐きまくる始末だった。だが、すばらしいことに、彼らはさっと薬を出して介抱してくれ、まるで王様のように扱ってくれた。本当に楽しくて、すばらしかった。あの日以来、日本の人々を愛しているし、尊敬もしている。ビューティフルな人々だ。いつでも大変な歓迎をしてくれるし、コンサートも必ず大成功だ。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.91

Miles in Berlin

Miles in Berlin

「マイルス・イン・ベルリン」

録音:1964

リリース:1965

[1964/09/25]

Miles Davis – Trumpet

Wayne Shorter – Tenor saxophone

Herbie Hancock – Piano

Ron Carter – Double Bass

Tony Williams – Drums

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・西ドイツ・ベルリンでの9月25日のライブ。

・サックスにウェイン・ショーターが加入し、黄金のクインテットが結成して初の作品。

・メンバーはマイルスと、ウェイン・ショーター(サックス)、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)、トニー・ウィリアムス(ドラム)。

重要度:★★★★☆

「とうとう彼から電話がかかってきた時には、オレは『飛んでこい!』と叫んだ。間違いなく来るように、それも格好もつけて来れるようにと、ファーストクラスの切符を送ってやった。オレはそうまでしてウェインを入れたかったんだ。……ウェインが入ったら、すばらしい音楽ができるという確信があったから、オレはすごくいい気分だった。そして本当にすばらしい音楽が生まれたんだ、それもすぐにだ。」 マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.92