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マイルス・デイヴィスのアルバムを年別に紹介

1958年のMiles Davis

オリジナル・クインテットのメンバーを呼び戻し、キャノンボール・アダレイを加えたセクステットマイルストーンズ」を制作。その後ピアノがビル・エヴァンス、ドラムがジミー・コブに交代し、「カインド・オブ・ブルー」期のメンバーになる。

ビル・エヴァンスをマイルスに紹介したのはジョージ・ラッセルだった。

・白人のビル・エヴァンスは短期間で退団するが(一説には人種問題のため)、翌年の「カインド・オブ・ブルー」のレコーディングの時に呼び戻されている。

マイルストーンズ」では従来のハード・バップとは違った、コード主体ではなく旋律主体のモードという手法も用いられるようになる。

「サムシン・エルス」「ポーギー&ベス」などが録音される。

ビル・エバンスという新しいピアニストを見つけた。白人だった。レッドに腹を立たていたわけじゃないが、バンドのサウンドとしてオレが求めていたことは、既にレッドのできる範囲を越えていた。モードができるピアニストが必要で、それがビル・エバンスだった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.16

Milestones

Milestones

 

マイルストーンズ」

録音:1958

リリース:1958

[1958/02/04]

[1958/03/04]

Miles Davis – trumpet, piano (on "Sid's Ahead")

Julian "Cannonball" Adderley – alto saxophone

John Coltrane – tenor saxophone

Red Garland – piano

Paul Chambers – double bass

Philly Joe Jones – drums

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・マイルスが、初めてコードよりも音階が主体となるモード奏法を用いた作品。

・タイトル曲の"Milestones"や、"Sid's Ahead"がモードで作られた曲だと言われている。本格的にモード・ジャズに移行するのは1959年の「カインド・オブ・ブルー」からになる。

"Sid's Ahead"ではマイルスとの口論で退室してしまったレッド・ガーランドに変わり(ガーランドが遅刻したという説もある)、マイルスがピアノを弾いている

・従来のオリジナル・クインテットのメンバーに加えて、サックスのキャノンボール・アダレイが参加。

重要度:★★★★☆

「オレは、このレコードでのバンドのサウンドが大いに気に入って、何か特別なことができたと確信した。トレーンもキャノンボールも大熱演で、この頃にはもう、二人は十分に慣れ親しんでいた。『マイルストーンズ』が、モード演法で作曲しはじめた最初のレコードだ。特にタイトル曲の〈マイルストーンズ〉では、モードが十分に生かされていた。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.15-16

Somethin' Else

サムシン・エルス+2

「サムシン・エルス」

録音:1958

リリース:1958

[1958/03/08]

Cannonball Adderley — alto saxophone

Miles Davis — trumpet

Hank Jones — piano

Sam Jones — bass

Art Blakey — drums

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キャノンボール・アダレイの名義だが、実質はマイルスのリーダー作

・1954年以来となるブルーノートでの録音。1950年代初期にマイルスを救済したブルーノートへの恩返しのためにこのレコーディングが行われたと言われている。

・スタンダード曲"Autumn Leaves"(枯葉)は名演とされており、ジャズの中でもトップクラスの名盤として評価の高い作品。

重要度:★★★★☆

「ニューヨークに帰ると、ブルーノートと契約したキャノンボールのレコーディングが待っていた。奴がオレにも加わってほしいと言うから、友情としてつき合った。『サムシング・エルス』というレコードで、なかなか良かった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.15

1958 Miles

1958 Miles

「1958マイルス」

録音:1955, 1958

リリース:1979

[1955/10/26]

Miles Davis - Trumpet

John Coltrane - Tenor saxophone

Philly Joe Jones - Drums

Red Garland - Piano

Paul Chambers - Bass

[1958/05/26]

Miles Davis – trumpet

Julian "Cannonball" Adderley – alto saxophone

John Coltrane – tenor saxophone

Bill Evans – piano

Paul Chambers – bass

Jimmy Cobb – drums

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・日本独自の編集盤で、リリースは1979年のマイルス隠遁期。

・ジャケットのデザインは、芥川賞作家・池田満寿夫

・ピアノがレッド・ガーランドからビル・エヴァンス、ドラムがフィリー・ジョー・ジョーンズからジミー・コブに変わり、大半の曲が「カインド・オブ・ブルー」の時のメンバーで演奏されている。

"Fran-Dance"は、後にマイルスの妻になるダンサーのフランシス・テイラーの踊っている姿に触発されて書いた曲。

・1958年当初は「Jazz Track」というタイトルで、LPのA面に「死刑台のエレベーター」、B面に今作収録のセッションが収められていた。

重要度:★★★☆☆

ビル・エバンスが入ったセクステットで、最初にレコーディングした重要な曲は〈オン・グリーン・ドルフィン・ストリート〉〈ステラ・バイ・スターライト〉〈ラブ・フォー・セール〉〈フラン・ダンス〉で、録音は一九五八年の五月だった。この四曲がセクステットとして初めてのレコーディングだった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.24

At Newport 1958

At Newport 1958

「アット・ニューポート1958」

録音:1958

リリース:1964

[1958/07/03]

Miles Davis (tpt)

Cannonball Adderley (as)

John Coltrane (ts)

Bill Evans (p)

Paul Chambers (b)

Jimmy Cobb (d)

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・1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルが収録されている。

「ニューポートのマイルス・デイビス1955-1975:ブートレグ・シリーズVol.4」に同じライブが収録されている。

重要度:★★★☆☆

「ニューポート・ジャズ・フェスティバルでも演奏したが、もちろん大成功だった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.25

Porgy & Bess

Porgy & Bess

「ポーギー&ベス」

録音:1958

リリース:1959

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ギル・エヴァンス・オーケストラとの共演ニ作目。

アメリカの有名な作曲家、ガーシュインの黒人文化を元にしたオペラ「ポーギーとベス」に取り組んだ作品。

ガーシュインの曲は黒人的な要素も強く、ジャズ・ミュージシャンに支持を得ていた。

・一曲だけ"Gone"というギルのオリジナル曲が入っている。

・マイルスはトランペットとフリューゲルホルンを使い分けている。

重要度:★★★☆☆

「レコーディングは、人間の声に近いサウンドを作り出さなきゃいけないパートがいくつかあったりして難しかったが、とても楽しかった。ギルのアレンジは最高にすばらしかった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.26

Jazz at the Plaza

Jazz at the Plaza

「ジャズ・アット・ザ・プラザ」

録音:1958

リリース:1973

[1958/09/09]

Miles Davis – trumpet

Julian "Cannonball" Adderley – alto saxophone

John Coltrane – tenor saxophone

Bill Evans – piano

Paul Chambers – bass

Jimmy Cobb – drums

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・コロンビア主催のニューヨーク、プラザホテルでのパーティーの録音。

・マイルスのトランペットの音が遠い箇所があるなど、音質面でやや難がある。

重要度:★☆☆☆☆

「ビルがバンドを去る原因になったいくつかの事柄に、オレは本当に腹を立てた。たとえば、バンドにいるたった一人の白人というだけで、何人かの黒人連中がした仕打ちだ。ジャズ界最高のバンドで、ギャラも最高なんだから、黒人のピアニストを雇うべきだなんて考えてる野郎がたくさんいたんだ。もちろん、オレはそんなことにかまっちゃいない。いつだって最高のミュージシャンが欲しいだけだ。黒だろうが白だろうが、青でも赤でも黄でも、なんだっていい。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅱ p.27