miles / disc

マイルス・デイヴィスのアルバムを年別に紹介

1957年のMiles Davis

・メンバーのドラッグ問題で、一時的にオリジナル・クインテットは解散となる。

「マイルス・アヘッド」死刑台のエレベーターをレコーディングする。

「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」がリリースされる。

「一九五七年の十二月にニューヨークに戻ると、自分自身の音楽でさらに前進する準備は完全に整っていた。まず、レッドに戻ってくるように頼んだ。モンクとの『ファイブ・スポット』の仕事が終ると聞いたから、トレーンに電話して、戻ってほしいと伝えた。奴は一言『OK』と答えた。この時オレは、本当にものすごい何かが起こると確信した。そしてそれは、本当に起こったんだ。完璧なまでにな。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.361-362

Miles Ahead

Miles Ahead

マイルス・アヘッド+5

「マイルス・アヘッド」

録音:1957

リリース:1957

-------------------------------------

ギル・エヴァンス・オーケストラとの共演一作目。

・コロンビアの予算を贅沢に使いプロデュースされたアルバム。

・19人編成のオーケストラ・アルバムで、ストリングは存在せず、管楽器が大きくフューチャーされている。

・ジャケットは2種類あり、当初は「船の上の白人女性」というものだった。この件に怒ったマイルスは、ジャケットをマイルス自身の写真に差し替えさせる。現在では白人女性バージョンも復活している。

・このアルバムは大衆向けにマーケティングされたもので、当時のライナーではマイルスが新人として扱われている

"Miles Ahead"は後に映画のタイトルにもなった。また、同名の別楽曲が「ブルーヘイズ」に収録されている。

・トラックに切れ目がなく曲間が繋がっている

・当時の最新技術だったオーバー・ダビングによる録音や、テープ編集が行われている。

・マイルスはフリューゲルホルンというトランペットに似ているが、より柔らかい音の出る楽器を演奏している。

ディジー・ガレスピーがマイルスに会いに来て「かけすぎて擦り切れたから、あのレコードをもう一枚くれ」と言ったという。

重要度:★★★★☆

「ギルは細心で創造的だから、一緒にやるのは大好きだった。アレンジも全面的に信頼していた。オレ達はずっとすばらしいチームだったが、『マイルス・アヘッド』をやった時、ギルとオレは音楽的に特別なものを持っていると、はっきり自覚した。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.356

Ascenseur Pour L'Echafaud

Ascenseur Pour L'Echafaud (Lift To The Scaffold): Original Soundtrack

死刑台のエレベーター

録音:1957

リリース:1958

[1957/12/04~05]

Miles Davis – trumpet

Barney Wilen – tenor saxophone

René Urtreger – piano

Pierre Michelot – bass

Kenny Clarke – drums

-------------------------------------

ルイ・マル監督の映画死刑台のエレベーターサウンドトラックとしてパリで制作された。

・最初の渡仏時に恋仲になったジュリエット・グレコの仲介で、フランスに滞在していたマイルスにこのレコーディングがオファーされた。

・マイルスが映画を見ながら即興で録音したという伝説があるが、実際は事前にちゃんと準備していたという。

・映画で使われたバージョンはリバーブがかかったような音で、独特の雰囲気を演出している。CDの完全版には元になったバージョンも収録されている。

重要度:★★★☆☆

「映画の音楽は初めてだったから、ものすごく勉強になった。ラッシュ・フィルムを見ながら、即興で作曲するアイディアを得たからだ。殺人がテーマのサスペンス映画だったせいか、すごく古くて暗い、憂鬱な感じのする建物で演奏した。これなら音楽に雰囲気を与えてくれると思ったが、確かにそれは効果的だった。誰もが、その映画音楽を気に入ってくれた。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.360