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マイルス・デイヴィスのアルバムを年別に紹介

1955年のMiles Davis

「ザ・ミュージング・オブ・マイルス」「ブルー・ムーズ」、「マイルス・デイヴィス・アンド・ミルト・ジャクソンを録音する。

・7月17日、マイルスはニューポート・ジャズ・フェスティバルに飛び入り参加。"'Round Midnight"の演奏を披露したこのステージは伝説的名演だと語られている(この時の音源は「ニューポートのマイルス・デイビス1955-1975:ブートレグ・シリーズVol.4」に収録されている)。その後、大手レーベルのコロンビアからの契約オファーを受ける。

コロンビアと契約したマイルスは「オリジナル・クインテット(ファースト・クインテット)」と呼ばれるバンドを結成し、コロンビアへの録音を行う。しかし、プレスティッジとの契約が残っていたために、コロンビアでの一作目「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」はすぐには発売されなかった。

・マイルスはプレスティッジとの契約を満了するために「マイルス ~ ザ・ニュー・マイルス・デイビスクインテットと、翌年のラソンセッションの作品群を制作する。

・3月12日、チャーリー・パーカーが死去する

「〈ラウンド・ミッドナイト〉をやったんだが、オレがミュートで吹くと、みんな大騒ぎになった。あれは、すごかった。ものすごく長いスタンディング・オベーションを受けたんだ。ステージを降りると王様のように見られ、レコーディングの話を持っていろんな奴が押しかけてきた。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.315

The Musings of Miles

Musings of Miles

「ザ・ミュージング・オブ・マイルス」

録音:1955

リリース:1955

[1955/06/07]

Miles Davis (tp)

Red Garland (p)

Oscar Pettiford (b)

Philly Joe Jones (dr)

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・管楽器がマイルスのトランペットのみという、ワンホーンの作品。

村上春樹のデビュー作「風の歌を聴けに「<ギャル・イン・キャリコ>の入ったマイルス・デイビス」としてこの作品が登場する。

・後にオリジナル・クインテットのメンバーとなるレッド・ガーランドフィリー・ジョー・ジョーンズが参加している。

・マイルスのお気に入りのピアニストのアーマッド・ジャマルの影響が強い。

重要度:★★★☆☆

アーマッド・ジャマルからの影響がもろに出てる。〈ア・ギャル・イン・キャリコ〉と〈ウィル・ユー・スティル・ビー・マイン〉は、アーマッドがいつも演奏していた曲だ。レッドがアーマッドのフィーリングとタッチで弾いたが、オレが望んでいたものにかなり近い出来になった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.314

Blue Moods

Blue Moods

「ブルー・ムーズ」

録音:1955

リリース:1955

[1955/07/09]

Miles Davis – trumpet

Britt Woodman – trombone

Charles Mingus – bass

Teddy Charles – vibes

Elvin Jones – drums

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・ベースのチャールズ・ミンガスとの共演作。

・マイルスはミンガスへの借金返済のためにレコーディングに参加したらしい。

・4曲入りで、収録時間は30分に満たない

・レコーディングが中々上手く行かなかったという。

重要度:★☆☆☆☆

「このレコーディングは、何か問題があってすべてがうまく噛み合わず、熱気のないものになってしまった。なんのせいだったかはよくわからない。アレンジのせいかもしれないが、明らかにうまくいかなかった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.317

Miles Davis And Milt Jackson - Quintet / Sextet

Miles Davis & Milt Jackson Quintet Sextet [12 inch Analog]

マイルス・デイヴィス・アンド・ミルト・ジャクソン

録音:1955

リリース:1956

[1955/08/05]

Miles Davis – trumpet

Milt Jackson – vibraphone

Jackie McLean – alto saxophone

Ray Bryant – piano

Percy Heath – bass

Art Taylor – drums

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ミルト・ジャクソンとの共演作。

・別名「う◯こ座りのマイルス」と呼ばれることもあるらしい。

重要度:★★☆☆☆

「ジャッキーがハイになりすぎて、『吹けないよ』と騒いだのを覚えている。オレは頭にきて、その日以来、二度とジャッキーを使わなくなった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.320

Round About Midnight

ラウンド・アバウト・ミッドナイト(MONO)(期間生産限定盤)

「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」

録音:1955~1956

リリース:1957

[1955/10/26]

[1956/06/05]

[1956/09/10]

Miles Davis – trumpet

John Coltrane – tenor saxophone

Red Garland – piano

Paul Chambers – bass

Philly Joe Jones – drums

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・大手レーベル・コロンビアでの一作目

プレスティッジ「マイルス ~ ザ・ニュー・マイルス・デイビスクインテットラソンセッション4作を録音して、契約を満了した後でリリースされた。

「オリジナル・クインテットまたは、「ファースト・クインテット「第一期黄金のクインテットなどと言われるメンバーの初録音を含む。メンバーはマイルスと、ジョン・コルトレーン(サックス)、レッド・ガーランド(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)。

・マイルスはサックスに当初ソニー・ロリンズを希望していたが、ドラッグ依存の治療で隠遁していたために、代わりにコルトレーンになった。

・一曲目の"Round Midnight"の録音はジャズの中でも最も有名なものの一つ。この曲はセロニアス・モンクの作曲で、マイルスのバージョンはギル・エヴァンスのアレンジを元にしたものだと言われている。

・未発表のライブを収録した「'Round About Midnight : Legacy Edition」も存在する。

・商業的に成功し、マイルスのイメージを形作る作品になった。ジャズ入門盤として推奨されることも多い。

重要度:★★★★★

「一九五五年の十月下旬に『カフェ・ボヘミア』に出ている時に、オレ達はコロンビアのためのレコーディングに入った。だがそれは、プレスティッジとの取り決めがあったから、一九五六年の五月まで出せなかった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.331

 

「もちろん、ボブとプレスティッジがしてくれたことには感謝もしていた。だが、コロンビアが金やチャンスを約束した今こそ、前進すべきことは明らかだった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.332

New Miles Davis Quintet

New Miles Davis Quintet

「マイルス ~ ザ・ニュー・マイルス・デイビスクインテット

録音:1955

リリース:1956

[1955/11/16]

Miles Davis – trumpet

John Coltrane – tenor saxophone

Red Garland – piano

Paul Chambers – bass

Philly Joe Jones – drums

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オリジナル・クインテットとして初めて発表された作品。

・時系列的に、このメンバーでの初セッションはコロンビアでの「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」のものだが、リリースはこの作品が先。

・ジャケットがダサいと言われがち。通称「小川のマイルス」

重要度:★★☆☆☆

「プレスティッジへの義務を果たすために、十一月にレコーディングした。……『マイルス』は決して悪い出来じゃなかったが、次のレコードでオレ達がやったことに比べたら、取るに足らないものだった。」 マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.332