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マイルス・デイヴィスのアルバムを年別に紹介

1954年のMiles Davis

ドラッグ中毒から復活。2月にニューヨークに戻り、「ウォーキン」等の充実したレコーディングを行う。

・1954年12月24日に伝説になっている、マイルスvsモンクのいわゆる「ケンカセッション」が行われる。

「ニューヨークに帰ってきたのは、一九五四年の二月だった。本当に久しぶりに、すっきりした感じだった。毎日演奏したし、ヘロインとも切れたから、唇も何もかも快調だった。音楽的にも肉体的にも自信にあふれていて、なんでもこいという感じだった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.288

Walkin'

WALKIN'

「ウォーキン」

録音:1954

リリース:1957

[1954/04/03]

Miles Davis — trumpet

David Schildkraut — alto saxophone

Horace Silver — piano

Percy Heath — bass

Kenny Clarke — drums

[1954/04/29]

Miles Davis — trumpet

Lucky Thompson — tenor saxophone

J. J. Johnson — trombone

Horace Silver — piano

Percy Heath — bass

Kenny Clarke — drums

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・ドラッグ中毒から抜け出した「マイルス復活」の作品。

・1956年のマラソンセッションの作品群と混同されそうなタイトルだが、それらとは異なる独立した作品。

・1曲目の"Walkin'"は、後にテンポを高速にしてライブの定番曲となる。

・"Solar"の楽譜の冒頭がマイルスの墓に刻まれている。

ハードバップの歴史的名盤とされる。

・"Walkin'"が録音された4月29日のレコーディング時にトランペットを忘れたマイルスは、他人の楽器を借りて演奏したという。

・低迷期から復活し、マイルス伝説始まりの一枚とされることが多い記念碑的作品。

重要度:★★★★★

「あのレコードは、オレの人生と経歴のすべてをすっかり変えてしまった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.292

 

「まさに傑作、本当の大傑作だった。オレはビバップの熱気と興奮を甦らせようとした。ディズやバード(ディジー・ガレスピーチャーリー・パーカー)がやっていた、あの要素をだ。さらに、もっとファンキーな感じのブルース、ホレスがやっていたような要素も取り入れたかった。そこにオレとJ.J.とラッキーが加われば、新しい何かが生まれないわけがなかった。そして確かに、すごいものが生まれたんだ。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.292-293

Bags' Groove

Bag's Groove

「バグス・グルーヴ」

録音:1954

リリース:1957

[1954/06/29]

Miles Davis – trumpet

Sonny Rollins – tenor saxophone

Horace Silver – piano

Percy Heath – bass

Kenny Clarke – drums

[1954/12/24]

Miles Davis – trumpet

Milt Jackson – vibraphone

Thelonious Monk – piano

Percy Heath – bass

Kenny Clarke – drums

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セロニアス・モンクミルト・ジャクソンとの共演を含む作品。

・3曲がソニー・ロリンズの曲。

・タイトル曲の"Bags' Groove"は名演とされている。ジャズの名盤として挙げられることも多い。

"Bags"ミルト・ジャクソンのニックネームだという。

重要度:★★★☆☆

ソニーはすばらしく、才気にあふれていた。アフリカに興味を持っていて、ナイジェリアの綴りをさかさまにした〈エアジン〉という曲もあった。〈ドキシー〉もあった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.294

Miles Davis and the Modern Jazz Giants

マイルス・ディヴィス・アンド・ザ・モダン・ジャズ・ジャイアンツ

マイルス・デイビス・アンド・ザ・モダン・ジャズ・ジャイアンツ」

録音:1954, 1956

リリース:1959 

[1954/12/24]

Miles Davis – trumpet

Milt Jackson – vibraphone

Thelonious Monk – piano

Percy Heath – bass

Kenny Clarke – drums

[1956/10/26]

Miles Davis – trumpet

John Coltrane – tenor saxophone

Red Garland – piano

Paul Chambers – bass

Philly Joe Jones – drums

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・「バグス・グルーヴ」収録のもの以外のクリスマスセッションが収められた作品。このセッションはマイルスvsモンクのいわゆる「ケンカセッション」と言われている。

・マイルスがモンクに、自分のソロの時にピアノを弾くなと言ったことが原因となり、確執が生まれたとされている。後に、その件については否定され、単なる伝説だったということになっているが、一曲目の "The Man I Love" (Take 2)でモンクが演奏を止めてしまう箇所があり、なにやら不穏な様子はある。

・マイルスとモンクは特に仲が悪かったわけではなく、むしろマイルス自身はモンクを慕っており、多くのことを学んだと語っている。

重要度:★★★☆☆

「この日、モンクとオレの間にあったとされるいさかいについて、たくさんの誤解がまかり通っている。だが、その噂は、ほとんど意味のないことが真実になってしまうまで、勝手に繰り返し語られ続けたものにすぎない。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.308