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マイルス・デイヴィスのアルバムを年別に紹介

1951年のMiles Davis

・当時新興レーベルだったプレスティッジと契約する。

「クールの誕生」で新しいジャズを作ったマイルスだが、その方向性を続けることはなく、アート・ブレイキーソニー・ロリンズらと共にビバップを発展させたハード・バップの原型になるスタイルを展開していく。

「ディグ」マイルス・デイヴィス・アンド・ホーンズ」を録音する。

・退団していたチャーリー・パーカーのバンドに一時的に復帰し「スウェディッシュ・シュナップス」のレコーディングに参加する。

「一九五一年には、自分を病人だと認める心の準備が出来ていなかったから、もっとひどい麻薬常習癖への、長くて暗くて冷たい、つるつるした道を、まっさかさまに滑り降り続けていた。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.232

Miles Davis and Horns

Miles Davis & Horns

マイルス・デイヴィス・アンド・ホーンズ」

録音:1951, 1953

リリース:1956

[1951/01/17]

Miles Davis – Trumpet

Zoot Sims – Tenor Saxophone

Al Cohn – Tenor Saxophone

Sonny Truitt – Trombone

John Lewis – Piano

Leonard Gaskin – Bass

Kenny Clarke – Drums

[1953/02/19]

Miles Davis – Trumpet

Sonny Rollins – Tenor Saxophone

Bennie Green – Trombone

John Lewis – Piano

Percy Heath – Bass

Roy Haynes – Drums

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・1951年1月17日のプレスティッジでの初録音を含む作品。

ソニー・ロリンズと初共演。

・4曲がアル・コーンの曲。

 重要度:★☆☆☆☆

「バードとの演奏で疲れていたから、オレの演奏は良くなかった。ヘロインをまた打ちはじめていたから、肉体的にもテクニック的にも、いつものオレじゃなかった。だが、他のメンバーはいい演奏をした。特にソニーは、一、二曲ですばらしい演奏をした。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.231

Birdland 1951

バードランド1951

「バードランド1951」

録音:1951

リリース:2004

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・ジャズクラブ「バードランド」での3回のライブをまとめた作品。ブルーノートからのリリース。

・当時のマイルスはドラック中毒のため多くのクラブでブラックリストに載っており、出られるクラブがほとんどバードランドだけに限られていたという。

・ライブ会場のクラブ・バードランドは、チャーリー・パーカーの愛称「バード」から命名されたという。

ビバップ・スタイルのホットな演奏。アート・ブレイキーのドラムの評価が高い。

・音質は良くない。

重要度:★★☆☆☆

「この頃、クラブの主人達はオレをブラック・リストに載せていて、何度か雇ってくれたのは『バードランド』のオスカー・グッドスタインだけだった。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.236

Dig

Dig

「ディグ」

録音:1951

リリース:1956

[1951/10/05]

Miles Davis – trumpet

Jackie McLean – alto saxophone (on "Dig" and all songs by Davis)

Sonny Rollins – tenor saxophone

Walter Bishop, Jr. – piano

Tommy Potter – double bass

Art Blakey – drums

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ハードバップの原型を築いたとされる作品。

・フォーマットがLPになり、長時間の録音が可能になったことで、より多彩な表現が可能になった。一曲が3分というSP盤の短時間の録音に適していたビバップに対して、より長時間のハード・バップが新たなジャズの潮流になる。

ビバップハード・バップの違いは諸説あるが、ビバップの激しいソロによるスポーツ性に対して、アンサンブルを重視することでより音楽的色彩が多彩になったものがハード・バップだという言い方ができる。

・本来ライブでは長時間演奏が普通なので、よりライブでの演奏に近い感覚でレコーディングできるようになった。このLPという長時間のメディアへの変化は、マイルスにとって追い風になった。

・レコーディング現場にチャーリー・パーカーが来ていたため、彼のことがアイドルだったジャッキー・マクリーンがひどく取り乱したという。

重要度:★★★★☆

「この新技術がもたらす自由な可能性に興奮していた。それまでの、お決まりの三分間の演奏には飽き飽きしていたんだ。大急ぎでソロを始めて終わらさなくちゃならないし、本当に自由なソロを取るスペースなんてなかったからだ。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.238

 

「このレコーディングは、最高の演奏になった。トランペットの練習は十分、おまけにバンドのリハーサルもやったから、誰もが素材やアレンジに慣れていた。」マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.238

 

「オレは、サウンドが自分自身のものになりつつあったから『ディグ』は大いに気に入った。……新しい長時間演奏のフォーマットは、オレのために発明されたようなものだった。」 マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ p.239-240